2009/10/31

10月31日 冨士の雪


『冨士の雪(ふじのゆき)』。
文久元年頃、千葉県でそば屋を営んでいた山田文蔵氏の棚で一文字(古今輪)に白い虎斑が現れた。これを篠常五郎氏が買い出し、明治30年に村越治郎兵衛氏が命名。
明治元年の銘鑑にその名を見ることができる。
冨士の雪にも系統があり、アルプス、倉内、タド勘、文治、砂山、御前、荒町…etc沢山ある。
今では見分けられる人は少ない。

虎斑はできるだけ雪白で黄色みを帯びていないものを選ぶのが良いです。
斑の量はその年の気候や採光などで変化します。

室内気温
鉢内温度
灌水なし。

2009/10/30

10月30日 富士の図

『富士の図(ふじのず)』
一文字(古今輪)に図が現れたもの。
写真は山形性の木。
富士の図は戦前、三河のほうで「古今輪の図」と呼ばれ、珍重されていた。この時期には岡山県から広島県のほうでも別の系統のものが作られていたとされている。
その後「冨士の雪」が盛んだった新潟で人気を呼び、多くの富士の図が集まり、昭和30年に中野作太郎氏が新潟大会に出品した富士の図が多くの評判をよんだ。
この木を神奈川県の榎本敏一氏が求め、中野氏のところに残った多くの富士の図を三光園主が求めて全国に紹介し、全国に広まった。これがいわゆる中野性である。
中野性は図が雪白で濁りがないので別格に扱われている。

次いで人気のある武田性は図が全面に現れ、網目図が出るのが特徴だが、中野性ほど雪白ではなく、やや黄色みを帯びている。
他には橋口性、山形性、藤岡性、吉田性など様々な系統がある。

6月26日のブログに書いた「田哲性」は今年4枚の葉繰りをし、芋根ともに順調です♪

室内気温9−21℃
鉢内温度8−20℃
15時半頃灌水。

明日から二日間、両国のホテルで展示即売会をやっています。
是非足を運んでください。お待ちしております。

秋のおもとサロン

期日 10月31日(土) 10:00〜18:00 11月1日(日)9:00〜15:00
会場 ザ ホテルベルグランデ 
 3階会議室(エレベータ降りて左奥)  アクセスLinkIcon

【℡03-3631-8111】
【JR総武線両国駅西口から徒歩1分 都営大江戸線両国駅から7分】

2009/10/27

10月27日 地球宝


『地球宝(ちきゅうほう)』
関東実生会会長の三澤さんのHPの地球宝会と言うところをクリックすれば色々な興味深い情報が見れます。
日月星に鮮明な図が出たもの。
系統がいくつもあり、今年の萬風展では神奈川の大平さんの熊谷性の地球宝が萬風賞に輝きました。
長野では袖山口(熊沢性)という素晴らしい系統の地球宝があります。
図性の良い物は覆輪の部分にまで図が打ち込んでそれは見事です。

おもと人気は地球宝とともにある、とどこかで読んだことがあります。
再び一般の方達におもとが普及すれば、地球宝、根岸松の図、玉獅子の虎などの柄物が羅紗に代わって人気の中心になることも大いに考えられますね。

室内気温12−18℃
鉢内温度12−18℃
灌水なし。

2009/10/26

10月26日 三光の松

『三光の松』。
昨日紹介した『千代田の松』と同じく松谷正太郎氏が昭和13年に『松谷千代田』から作出したもので、2才のときに三光園の榊原清一氏に贈られ、のちに千葉県の寺田純康氏が培養。
三光園の園号に因んで『三光の松』と命名、登録された。

千代田系の中でも特に斑の冴えが良く、雪白の千代田斑と紺覆輪とのコントラストが美しい。
中立ち葉で腰が高いので他の千代田系との見分けも付きやすい。
基本的な芸は甲竜だが、浮き竜と呼ばれる葉の途中から甲竜がでる芸や親木になると雅糸竜を現す。
しかし、三光の松は芸と言うよりもその斑の美しさに観賞価値がある。
成長期の午前中の日を十分に採り、葉の間隔を詰めて作った方が見栄えが良くなるそうです。

室内気温12−13℃
鉢内温度12−13℃
9時頃灌水。

2009/10/25

10月25日 千代田の松

『千代田の松(ちよだのまつ)』
以前に突然変異の面白さについてブログで触れた時にも紹介した「千代田の松」。
千代田斑系というジャンルが生まれたほどの大銘品である。
松谷正太郎氏という万年青界の歴史に名を残す方が大正元年に現在でいう『松谷千代田』から作出した。これより以前、明治39年作出の実生で千代田の松という逸品があったのだがこれは枯死したとされている。
大正元年に生まれて今も大銘品として残る「千代田の松」は大正7年に三河の高須七郎氏に棚割りされたのだが、その時の取引が実に1万円という高値だったという。
えー、、、当時は約1円で米が10キロ買えたのですから、今の値段に直すと…スーパーで安く売られている米10キロでも3000円はするから、最低でも3000万円!!!
実際のところは5000万円程の価値があったということですね。
その後、両国で各界の著名人を招いて盛大な披露宴が行われた。

現在、万年青をやっている人は「千代田の松」を簡単に手に入れて作ることができるのですから、その幸せを噛み締めてしっかりとした美術品を作らなくてはいけませんね。

千代田の松は採光、施肥ともに強めが良く、傷みも腐った場所をいじらずに3年放っておけば治ると言われるほど丈夫な品種です。しかし、春先や秋口の冷たい風に当てると葉先が焼けてしまうので注意が必要です。
水は多めのほうが良いようです。

室内気温10−20℃
鉢内温度9−19℃
灌水なし。

松谷正太郎氏が著した万年青大鑑の1頁
「明治39年東京駒込弊園の産出にして、根岸斑に青覆輪をかけ、二面の高竜を有す。他に其の類はなく、実に絶圭の貴品なり。命名は根岸松の御行の松に因縁みて命名せしが如く、著者は、東京千代田城に因縁して『千代田の松』と名づけたり。予や愛青ここに十有余年、初めて理想の逸品を得たり、理想の実現、夫れ難い哉」

2009/10/24

10月24日 お多福の図


『お多福の図』。
大正時代に兵庫県の坂井寅市氏が大車から作出した『お多福』に図が現れたもの。
昭和25年頃に愛知県の鈴木和三郎氏のところで現れたものと、27年に同じく愛知県の山本由太郎氏のところで現れたものなど様々な系統がある。

羅紗の図物の代表格で、図性の良いものは人気があり、近年でも高値で取引されたことがあるそうです。
写真の木は松本の百瀬さんの木でお多福の図の中でも一級品です。
雪白な打ち込み図が裏まで通ったものほど良質で、この写真の木は葉肉が厚くなっている部分も物ともせず真っ白な図を現しています。

なお、『お多福』に縞が入ったものが『福錦(ふくにしき)』という品種で、鮮明な縞が均一に入ったものは見応えがあります。

今日は、今年の夏前に陶芸家の方から譲ってもらった焼物用の電気釜を初めて動かしてみて、黒鉢を縁足金に大変身させました。
園主と専務と私で誰が一番綺麗に塗れるかを競ってみたのですが、やはり性格が出ますね。
ちょうど来園されていたお客様も一鉢自分で塗って焼いてみて、その後買った万年青を早速植え込んで持って帰られました。

縄縁もご覧の通り。中々うまく塗れていると思いませんか?(^^)v
写真に写っていない部分で綺麗に塗れていない部分があるのですが、そういう所はもう一度金液を塗って焼けば問題ないそうです。

しかし、電気釜は電気代が高くつきそう。
さらに液金も結構値段が張るので、これで経費を大幅に削減という訳にはいかなそうです。
遊びの一環ですね。

室内気温10−15℃
鉢内温度10−16℃
灌水なし。

2009/10/23

10月23日 寿扇

『寿扇(じゅせん)』。
愛知県で作出された実生。江田進氏が入手し、後に命名者の丹下和郎氏の棚に納まる。
登録は昭和54年。
コンパクトで整った姿が人気。
地味な二面竜が特徴。

室内気温10−21℃
鉢内温度10−20℃
16時頃灌水。
長野ではもう夜中になると10℃を下回ります。
早く植え替えを済まさなければならないのですが数が多く、中々はかどりません。
植え替えは気温が10℃以下に低下するような寒い時期に行うと根づきにくい、高温の時期に行うと青にえが発生したり傷みやすい、なので夏の終わりから秋の終わりまでという短い期間中に済ませなくてはならない大仕事です。
できるだけ早く植え替えを済ませられるように明日からも頑張ります(•_•;)

2009/10/19

10月19日 八紘錦


『八紘錦(はっこうにしき)』。
中立ち葉だが下葉がゆったりと横に開き、鉢の縁に垂れる。
覆輪が深く、男性的な味わいがある。
昭和5年頃、愛知県の浅野常吉氏が大宝×大車の交配で作出し『浅野実生』として注目されていた。昭和16年に覆輪が現れ、昭和19年に登録された。
左は当才芋吹き。スペード型のぼってりとした愛嬌の良い姿をしています。
ちなみに、大宝の元祖系である「浅野大宝」はこの浅野常吉氏の持っていた大宝です。

今日は祖父が生きていた頃よく碁を打ちに来ていた、私の幼なじみのおじいさんでもある方が来園してくれました。
私自身はお会いするのは10年ぶりくらいでしょうか。
昔の話などを嬉しそうに話している姿を見て、何だか私も嬉しくなりました。
地元に戻ってくるとこのような懐かしい再会があるから良いですね。

室内気温9−22℃
鉢内温度8−20℃
灌水なし。
最近は10時頃まで窓を閉めたまま日を採り室内を十分に暖めてから窓を開けるようにしています。

2009/10/17

10月17日 珠光


『珠光(しゅこう)』。
葉先が鋭く尖り、腰が低く襟合わせが良い。
二面竜から雅糸竜へ変化。
雪白の覆輪が美しい。
明治末期に京都の新川房次郎氏が持っていたとされている。
その後、登録者である山本岩一氏が受け継ぎ昭和46年に登録。命名は山口県の吉田善亮氏。
展示会やお棚見学などでも多く見かける大変人気のある品種です。

今日は東京からお客様がお見えになり、一緒にリンゴ狩りを楽しみました。
秋映、信濃スイート、信濃ゴールドという3つの品種、通称「シナノ3兄弟」を穫ったり食べたりで皆様大変喜んでいました。
リンゴ狩りをさせてくれた農家の方は、「清水久正果樹園」さんという父親の幼なじみで、私が赤ん坊の頃から知っている近所の気さくなおじさんです。
宣伝よろしくな!と言われたので一応書きました。
11月中旬頃は「ふじ」がおいしい時期ですので、当園にお見えになる際はご家族でリンゴ狩りもどうぞ!

室内気温10−22℃
鉢内温度10−20℃
10時頃灌水。

2009/10/16

10月16日 聖雲殿

『聖雲殿(せいうんでん)』。
これぞ羅紗万年青といった印象。
緑が深く、葉肉が厚く、柚子肌の粗い地合。
熨斗葉が主な芸ですが作り込むと雅糸竜を現します。
覆輪が矢羽根状に現れる特徴があり、覆輪が途中で切れたように見えたりし、写真の木のような深覆輪にはなりにくいです。

昭和13年に愛知県の大河内広吉氏が出世鏡(F1)×二面甲竜の交配で作出。
その年の秋に岡田和吉氏が買い求め栽培し、3本目の子に完全覆輪が完成した。
その後、昭和24年に聖雲殿と命名、登録された。
330種には昭和23年に登録と書いてありますが、おそらく昭和24年が正しいと思います。


一仕事終わった後、園内の棚を眺めていたら『白牡丹』にぎっしりと付いた実が赤く色付き始めていました。
人工交配していないのにこの実付き!
期待していた実親もこのようにしっかりと実をつけてくれたら良かったのですが。

何はともあれ、これなら正月に飾れます♪

2009/10/14

10月14日 宝玉


『宝玉(ほうぎょく)』。
昭和23年頃に大阪の金森某氏が作出。同府の堀恭二氏が繁殖して命名した。
登録は昭和63年、三光園。
葉が直線的に伸び、「浮き地」と呼ばれる、粉を振ったような艶消しの地合いをしている。覆輪が完成する前から地合いと芸が素晴らしかったので注目されてきたとされている。

今日は牟礼村のお客様のところにアク水用の藁灰を作るための藁を仕入れに行ってきました。
りんご畑の手伝いなら何度もしたことがありますが、田んぼの作業は生まれて初めてでした。が、戸惑わずにスムーズに作業ができたので我ながら少しは成長したんだなぁ、と感じました(笑)。

室内気温10−21℃
鉢内温度10−19℃
温室は9時頃灌水。ビニールハウスは15時半頃灌水。

当園HPに割子の仕方の動画をUPしました。
主演は園主です。肝心なところのズームなどが失敗しました。
また機会があれば撮り直すと思います。

2009/10/12

10月12日 競作

今日は東信の若い趣味者のお二人が来園されて、Hさんが「『瑞兆』を作りたい」とのことで棚から探し出してきたら2本の子が付いていたのでSさんと私と3人で競作することになりました。
三者三様で作がかかるように好きな植え方をしたらこうなりました。

左からHさん、私、Sさんです。
Hさんはスタンダードに楽鉢に軽石植えで首元は水苔。
Sさんはプラ鉢に軽石植えで首元は硬質赤玉。
私は一番王道からかけ離れたポット鉢に軽石と硬質赤玉の混合砂植え、首元は日光砂と硬質赤玉の混合砂。

首元の日光砂はpH値が酸性で水苔に近く、水持ちも硬質赤玉より良いです。しかし軽くて浮いてしまうので硬質赤玉と混ぜました。
若いうちは色々試したくなるんだよな。と人から皮肉を言われそうですが、「テキトー」に何でも試しているのではなく、自分なりに考えて「適当」だと思うことをやっているつもりなので気にしません。

室内気温9−19℃
鉢内温度
16時頃灌水。
夜は10℃を下回りました。いよいよ外棚の万年青を中に移動させる時期が近づいてきました。

2009/10/07

10月7日 王朝

『王朝』。
奥谷守松氏が三河で求め、高岡市の津崎正信氏と共有にし、津崎氏が培養したことから『津崎実生』と呼ばれる。その後41年に芋吹きが2本とれ、命名者である高松の田渕氏、富山の井原氏の両氏に棚割りされて一躍有名になった。登録は井原氏。
当時は『長命楽』に容姿が似ているとされていたが、現在では『旭翠』と対比され、旭翠を柔らかくしたような葉姿になる。
容姿からは分からない程、中々の粗い地合いをしている。

室内気温16−18℃
鉢内温度16−16℃
灌水なし。
今日は今夜から明日にかけて台風が接近するというので、植え替えの合間を縫って外棚の大葉や曙、矢筈を温室内に入れたり棚下に降ろしたりしました。

2009/10/06

10月6日 峻嶺


『峻嶺(しゅんれい)』です。
実親『大宝(たいぼう)』から生えた代表的な大宝実生です。
愛知県の鈴木春太郎氏が作出し、筒井信夫氏が『大雲殿』と仮名をつけて培養していたものを棚割りして、江田進氏が峻嶺と命名して丹下和朗氏とともに登録した。
地合いは緑が深く、柚子肌と呼ばれる粗い地合いが特徴的で、葉姿が乱れにくいので人気が高い銘品です。芸足が遅いのも特徴です。

峻嶺の生みの親『大宝』は実親の代表格で、実生家で大宝を持っていない人はいないというくらい縞羅紗作出のための実親の基本となります。
大宝実生はぼってりとした広葉に雅糸竜を現すのが特徴です。

現在ある大宝はほとんどがF1またはそれ以降で、浅野、友禅、ラムネ屋、佐野口などが本性だと言われています。本性はアタリが付きにくいため繁殖が少なく、ダンゴ型の花芽が上がり、実付きもあまり良くないらしいです。

まあ、F1だろうが羅紗率が高く、実績もあり、成績優秀なものなら、求めるうえでなんら問題ないと思います。
実績がある大宝としては、大野、琴治、十四山、仁兵衛、永山などがあげられます。

今後紹介する銘品の中にも大宝から生まれたものが数えきれない程でてくると思います。つまり、それほど今のおもと界の礎を築いた実親だということです。

室内気温
鉢内温度
16時頃灌水。

2009/10/05

10月5日 旭翠

『旭翠(きょくすい)』。
「昭和の天光冠」と呼ばれる大銘品です。
今年の葉のような幅の効いた深覆輪の葉が揃い、総雅糸竜を現すと、より一層見応えのある素晴らしい姿になります。

昭和34年に愛知県の理髪店、生田肇氏が大判×大宝F1の交配で生やしたとされています。翌35年に命名登録者である小田井律氏が求め、育てたことから『小田井実生』と呼ばれていました。最晃閣が出た直後に、印象の似ている旭翠が現れたので、もの凄い人気だったらしいです。

この旭翠によって実親『大判(O)』は有名になりました。
大判は大宝のF1で、幅広で中立ち葉、後暗みの虎斑があるのが本物だといいます。
実親の実親として特に優秀で、岡山県の小野田氏作出の実親『丸子』『BO10』『TOC5』『TOG9』などに大判が使われており、『楼蘭』の実親『天賜』も大車F1×(大判×大宝)ということになっています。

最後に、これは都市伝説のようになっていますが、『大宝』は『大車』のF1だと言われています。大車は明治34年頃に岡山県の笹田という精米屋で生まれたとされていて、現在生まれてくるほとんどの羅紗は大車の子孫ということになります。

室内気温13−21℃
鉢内温度12−21℃
灌水なし。

2009/10/04

10月4日 松本分会

3、4日と松本分会のおもと展示会に行ってきました。

田哲園賞を授賞された長瀬茂様の『四君子(しくんし)』

おめでとうございます。
貴重な縞覆輪で、これの子を交換会でゲットしました。

初日が結構にぎわって、若手のSさん、Hさん、大ベテランのTさんなどわざわざ来て遊んでいってくださった方々もいました。本当にありがとうございます。

個人的には実生家のNさんとMさんに色々なお話を聞かせてもらって勉強させていただきました。
Nさんは羅紗のスペシャリストで、羅紗の見方から始まりこの品種は葉芸と言うより型で見る品種だよ•••などなど、マニアックな話を沢山聞かせてもらって非常に勉強になりました。
Mさんはお得意の実親の話や肥料の微量要素についての話など、色々な情報交換をしました。

お客さんは一般の方がほとんどで、結構これから始めてみようなんて人も多かったです。
本当に嬉しいことですね。
これからもどんどん一般の方に万年青を普及させていきたいです。

2009/10/03

10月2日 松籟


昭和63年、東京の河原井武氏が命名登録した『松籟(しょうらい)』です。
『石州』と共に「河原井実生」と呼ばれていました。

芸足が早く3才くらいで本芸を現します。
若木のうちは熨斗葉を現し、だんだんと雅糸竜に葉芸が変化していきます。

私なりの用語解説
「熨斗葉(のしば)」と言うのは冠婚葬祭の贈答のラッピングに使う熨斗紙に印刷されている熨斗のように葉の縁が折れる芸のことを言います。
「雅糸竜(がしりゅう)」
まず、「甲竜」と呼ばれる芸があります。これは葉の真ん中に突起のようなものが現れる芸のことです。
この甲竜が二本になったものが「二面竜」といいます。
そして万年青が親木になるにつれてこの熨斗、甲竜、二面竜などが全面に広がっていって雅糸竜へと変化していくのです。

要は万年青が大人になるにつれ、体を鍛え、全面に筋肉やしわを寄せていくのが葉芸の変化です。そして、完成されたダンディで魅力的な姿の万年青が展示されるわけです。

室内気温
鉢内温度
7時頃灌水。

明日から二日間、神奈川の鶴見会館で神奈川県支部おもと作品展が、安曇野市の市民タイムス山光ホールで秋の中信おもと展が開催されます。
ぜひ足を運んでください。お待ちしております。

2009/10/01

9月30日 玉楼


写真の木は『玉楼』です。
最高閣の前田茂弘氏が作出したことと、まだ本数が少ない頃この木の魅力に魅せられた宮田年一氏が持っていたことから『前田年実生』と呼ばれていました。
これとは別に『羅紗王』と言う品種が宮田年一氏が命名、登録したもので『年実生』と呼ばれていました。
このように万年青は命名されるまでは、持っている人の名前や、作出した人の名前などから『○○実生』と呼ばれることが多いです。

交配は最高閣と同じく、大宝×晃明殿とされているのですが、THE大宝実生といった感じのため、晃明殿のほうは?といったところです。
でも完成した時に現す総雅糸竜を見ると本当に晃明殿の血が入っているのかも?とも思えます。分かりません。
玉楼は先代宝生園さんが登録したものなので、宝生園さんに聞けば分かると思います。

左右のバランスが良く整然としていて葉姿を乱しにくいので、雅糸竜を現さない若木でも十分に観賞価値があると思います。

私は初めて見た時に旭峰に雰囲気が似ているな、と感じました。
それ以来、私の中では勝手に「立ち葉の旭峰」、「折り下げの玉楼」となっています。
覆輪がどちらも黄覆輪だからそう感じたのかもしれません。

室内気温17−19℃
鉢内温度17−18℃
灌水なし。