2009/12/26

12月26日 blog納め

またブログは年が明けてから再開したいと思います。
『賜宝海(しほうかい)』

おもと愛好家たるもの、やはり正月には実付きおもとを飾るのが筋でしょう。
鉢も縁起の良いものを。
苦しい一年間のスタートくらいは晴れやかな気分が良いです。笑

遅くなりましたが、年末年始の通販もやります。
カタログはお手許に届いたでしょうか。
当園のHPにも.pdfで載っていますので是非見てみてください。
年末大セールということで、よろしくお願い致します。

We wish you a merry christmas,and a happy new year
それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。

2009/12/22

12月22日 おもとの基本

2008年11月の日本おもと協会の会報を読んでいたら、長野県の名作者、笠原威三氏の書いた文章の中に、先代園主である祖父が残したおもとをやる上での心掛け5箇条というものを見つけました。

  1.  無理、無茶、無駄をするな。
  2.  一に培養、二に銘柄、三に信用のある業者の選定。
  3.  棚の構成は羅紗、薄葉、獅子、大葉をバランスよく常に作ること。人気は回る。
  4.  大欲は無欲に似たり、大欲は大損の元、欲をかけば恥をかく。
  5.  実生は棚割合では最高でも2割までにする。あくまで決まり物中心でいくこと。

なるほど。
1つ目は私が卒業した某大学の創始者が効率改善の方法として、「ムリ、ムダ、ムラを省く」という言葉を残しているのと同じことでしょう。
つまり培養に置き換えると、堅作りするのが一番効率が良いということだと思います。

2、3、4番目は心構えですね。

5つ目、これも今改めて見直すべき大事なことだと思います。
実生をやる(作出も培養も含めて)には指標が頭の中にないといけません。
昔から銘品となっている品種はどれも素晴らしい芸を持っており、それが新しい品種を見るうえでの基本となります。
生えてきた実生を見て、これが優れているものなのかどうかも分からない、と言うようでは何を作り出そうとしているのか、という話になってしまいますし。
私も他人事ではなく、最初からの心構えとして、まずは決まり物で分からないものが無いくらいにしたい!と思って勉強しています。
ただ、実生が好きなことはどうしようもありません。
そこは両立でしょう。

とにかく、これから新たに若い世代の趣味者を増やしていかなくてはならない立場としては、まさにこの5箇条を自分の中にもしっかりと持って、多くの新しい人達に伝えていきたいと思います。

祖父については、私が4才の頃に亡くなってしまったので、教えられたことは記憶にほとんど残っていません。
とにかく生粋の商売人だったということは色んな人から聞いていたのですが…
しかし、今になってこういった文献などから色々教えられるのですから、文章、言葉というのは凄いですね。
死んでも尚、人に何かを伝えられる唯一の方法です。

祖父は
「この握り飯一つでも商売してみせる」
という言葉も人伝いに残しています。
その商売人としての志は、私がしっかりと引き継いでいきたいと改めて思いました。

外気温 △6−1℃
室内気温2−12℃
鉢内温度3−13℃
夜は温度が下がりすぎないように暖房設備を使っています。
灌水なし。

2009/12/21

12月21日 南海


『南海(なんかい)』
昭和40年、徳島県の平戸直道氏が「大宝」×「縞甲竜」の交配で作出し、昭和57年に同氏が登録した。
縞甲系に属しているが、地合いや葉芸は羅紗に近く大型の羅紗縞甲といった感じを受ける。
葉幅広く、横に大きく開き折り下げる。
全面に総雅糸竜を見せ、玉竜を現わすのが大きな特徴である。
繁殖は芋吹きによる。

この頃は縞甲系を♂木にして、大宝などに交配するのが流行っていたことを伺い知ることができますね。
平戸氏は力和型の『平戸実生』と呼ばれている実生も作出しています。

力和そっくりです。

外気温△2−2℃
室内気温2−9℃
鉢内温度4−11℃
灌水なし。

この時期はちょっと上苔が乾いていると灌水したくなってしまいますが、鉢底の乾きを目安にするくらいがちょうど良いので我慢強い管理が必要ですね。
この時期でも毎日のように灌水して良い実績を残しておられる方もいますが、当園では冬は乾かし気味にします。

2009/12/19

12月19日 朝

大雪が降りました。
去年は個人的には一回も雪かきをしなかったので2年ぶりの大雪。
昔から、朝起きて雪が積もっているとテンションが上がってしまう性なので、久しぶりにワクワクできました。
車もこんな感じです…

手でかいていたのでは時間がかかりすぎてしまうし、重労働なので下のような雪かき機で作業します。

今年は何回出動するのでしょうか。

最後に園主の謎のポーズ。

雪が降ると一夜にして風景が雪白に変化するので、神秘的ですね。
おもとで言ったら「図」のようなものでしょうか。
ただ、雪は日を採ると溶けて消えてしまいます。

朝の長野からのリポートでした。
皆様良い一日を!

2009/12/16

12月16日 朝陽

『朝陽(ちょうよう)』
日月星に白虎斑が現れたもの。
大正時代末期に東北地方で変化したと伝えられている。
命名者、柴山政明氏。
登録者、森昌則氏。
後冴えで大柄な虎斑の出るものほど上質とされている。
繁殖は良いのだが性質が弱く、施肥は控えめの方が良い。

難しいと言われているので、来年からこの木の美術品作りに挑戦してみたいと思っています。
日強で堅作りするのが虎斑を冴えさせるにも、芋を丈夫にするにもベストな方法だと思います。


温室の冬支度が完了しました。
直射日光はほとんど当たらなくなり温度変化が少なく、万年青は冬眠状態になります。
灌水も少なめにします。

この時期の温度変化がどうなっているのか、冬の計測結果が楽しみです。
室内気温2−14℃
鉢内温度4−15℃
灌水なし。

2009/12/13

12月13日 鶴の舞


『鶴の舞』
この品種は、万年青に対してアンテナが一本も立っていなかった小さい頃の私でも聞いたことがあった程、獅子系の代表的な品種である。
命名者は奥谷三郎氏であり、誰よりも思い入れが深く、また正確にこの品種の来歴を分かっておられた方だと思うので、「続 原色おもと図鑑」より文章をそのまま引用させていただきます。

【性状】
濃紺緑の地に黄縞は鮮明で、厚い地合いが浮き地になった時は羅紗と見違えるほどになる。
にもかかわらず幅広の葉は角巻きに幾重にも巻き上がり、昇天の竜を思わせ、鶴の舞い上がる姿を彷彿とさせる。
甲竜、雅糸竜、鈴虫剣が出る。
加えて本種のすぐれていることは、鮮明の黄縞は、普通青白、いずれかに偏しやすく、往々栽培者を落胆させるものであるが、本種の縞はたいへん落ち着いていて、栽培経験者を安心させている。
また、繁殖よく、だれが培養してもそれ相当に作り栄えし、芸を十分に現わすばかりか、子さえ出して愛好者を得ている。海龍獅子など本種より芸は上と見られるものが存在している中で、縞獅子の美術展でよく本種が優勝することは、本種が栽培しやすく、よく本芸を十二分に発揮するからである。
筆者(三郎)は本芸を発揮しやすいことを、芸の一つと考えていて、その木のすぐれた点にあげている。本種はその類にはいる。これは命名者の「我田引水(がでんいんすい)」ではないと信じる。

【来歴】
呉市下黒瀬の内田富氏が戦前から培養増殖しておられたものを、33年氏の要請もあって、筆者が買い出して命名した。
はじめ内田氏は荷香獅子と命名しておられ、信仰家なのでこの名を愛されていたが、無信仰の筆者に荷香が蓮の香りであることなど知る由もなく、あえて自分の所感を押しつけてしまった。温厚な内田氏はすぐ諒承されたが、心の隅に残っている。
しかし今、鶴の舞が大勢に愛されていることを考えれば、この無理は幸いであったかもわからない。
この時、筆者が33本、亡弟の分として2本と、計35本を分けてもらった。鶴の舞はそれ以前、広島の多賀弘氏の交換会に1本出品された。また氏の手許に親木1本、ほかで5本を残したから、42本あったことになる。
それでいて、縞の派手なものは2本だけというのだから、いかに本種の縞が安定しているかうかがえると思う。


今日は温度管理システムなどを作ったSさんが来園され、すごい物を作って持ってきてくれました。
植え込み機(仮名S−1号)です。
振動で砂利を若干撹拌させながら落ち着かせるという便利ものです。
以前は、岡山県の実生家である松岡氏が違う形の植え込み機を作られていたのですが、現在は作られておらず作る人がいないので、新たに入手することが難しい時にこの機械が現れました。
このようにフットスイッチがついています。
強さは今のところ3段階あり、機械自体の大きさも2パターンあります。

試作品段階らしいのですが、3.0号鉢と3.8号鉢で植え込みを試してみたところ、しっかりと植え込み機の役目を果たしてくれていました。
これから耐久性や問題点、デザインなどを改良していく予定だそうです。
写真のサイズのものなら、持ち運びもしやすく、コンセントさえあれば色んなところで植え替えをできますね。
素晴らしい!

室内気温5−12℃
鉢内温度6−13℃
灌水なし。

2009/12/12

12月12日 ありがとうございます!

気がついたら10000アクセスもしていただいていました。
いつも見てくださっている皆様ありがとうございます!!
感謝感謝です。
皆様が見ていて飽きないようなブログを書けるようもっと勉強していきたいと思います。
これからもよろしくお願い致します!

2009/12/11

12月11日 鳳


『鳳(おおとり)』
明治43年頃、東京都の慈照院波多野氏のところで『松の霜』から生えたとされている。
3才くらいの時に命名登録者である兵庫県の小西義清氏が求め、培養して1年で甲竜が出た。
葉繰り良く、腰が太く、葉の中央部から折り下げ、葉先は尖る。
胡麻斑系の代表種である。
『鳳』の中でも特に斑の鮮明なものを『錦鳳』と呼び、やや小型になる
胡麻斑系は覆輪が深い程、斑が鮮明になる傾向がある。


胡麻斑の品種は名前の尾に「鳳」の字が付くものが多い。
『錦明鳳』『理鳳』『萬寿鳳』など。

室内気温6−8℃
鉢内温度7−9℃
10時頃灌水。
当園ではこの時期、一番冷え込む時間帯に鉢内に水分を残さないようにするため、夕方の灌水を避けるようにします。

2009/12/09

12月9日 紅葉と万年青

ご協力ありがとうございました!
何とか全ての画像を貼り直し、全てを確認し終えました。
安心して何回でもクリックしてご覧ください。

「ミニ盆栽と万年青」を実践してみました。

実生の紅葉と『瑞泉』です。
小葉おもとが庭に植えてある大葉おもとの様に見えるように、とイメージしました。
中は砂利で植えて表面には木の植わっているほうは庭の土の苔、石の置物のほうは岩に付いている水苔を移植しました。
あまり丁寧ではありませんが、初めての実践ということで良しとしておいてください。


もうひとつ興味深いものがあったので載せます。

万年青が枯れました。。。
品種はやや腰が高く折り下げる品種『豊陽殿』。

パッと見たところ新根も降りているし芋根には異常ありません。

しかし、断面図はこのように。

首元が一気に傷んでいる典型的な青にえです。まさに「立ち枯れ」。

幸いにもアタリはあるし、患部以外は健康そのものなので時期を逸していますが芋吹きに。

来年無事に吹いてくれることを祈ります。

室内気温2−13℃
鉢内温度3−14℃
灌水なし。

2009/12/08

12月8日 晃明殿

『晃明殿(こうめいでん)』
縞甲系といったら代表格はこの晃明殿。
大正末期に東京都の高橋弥三郎氏が作出した実生で、昭和4年の東京大会で命名者である奈良県の市野利平氏と神原八曽松氏に棚割りされた。
葉先が鋭く尖り、全面に雅糸竜を現す大型の縞甲である。

『最晃閣』のブログにも書いた通り、実親(♂木)としても優秀で、『長春閣』『玉楼』『光雲』『斑鳩』…etc、多くの羅紗を生み出している。

同じように多くの優秀な実親も生み出されている。
今人気の実親である『V晃3』も「カキガラ錦福×晃明殿」だろうと言われている。
さらに、『月光親』『晃明矢筈』『金晃明』…etc

これから実生を始める方は、実績のある実親に晃明殿をかけてオリジナルの実親を作り出すのも面白いと思います。

外気温△3−9℃
室内気温1−18℃
鉢内温度3−20℃

2009/12/07

12月7日 作風展

最終日の7日だけ上野グリーンクラブに店番をしに行ってきました。
盆栽の展示品を興味深く拝見させていただいたのですが、盆栽というものは空間を操っているというか、一本の展示品を観ているのに、見たこともないような一本の木を森の中で眺めているような不思議な感覚になりました。
「岩付き万年青」というものがありますが、万年青も錦鉢に植えて展示するだけではなく、盆栽と組み合わせて大きな鉢の中に一つの世界を作って展示するというのも面白いな!と思いました。
一般の方に万年青を知っていただくには、型にとらわれずに間口を広くすることが大事だと思うので、いずれ挑戦してみたいと思います。

2009/12/02

12月2日

今後、展示会レポートはプライバシーの問題等があるようなので、賞名、支部名、名前等は基本的に表記をしないという方針でいきます。
軽卒な行為をしてしまい、申し訳ございませんでした。

明後日から東京の上野グリーンクラブにて盆栽作風展が行われます。
そこで当園も出店しておりますので是非足を運んでみてください。
お待ちしております。

盆栽作風展

主催/日本盆栽協会

期日 12月4日(金)〜12月7日(月)9:00〜17:00
会場 上野グリーンクラブ 屋台売店(東京台東区上野池ノ端 不忍池西)

【JR上野駅より徒歩13分 地下鉄千代田線根津駅より5分】

◇展示席 盆栽業者による一流作品展示
◇おもと出店業者 春光園 中村園 宝生園 田哲園

2009/12/01

12月1日 全国大会 (薄葉系)

最後に薄葉の紹介で全国大会のレポート終わります。

『千代田の松』『山雅の松』
『山雅の松』は『千代田の松』の変化種。
やはり紺覆輪と白覆輪ではイメージがガラッと変わりますね。

『根岸松の図』『太陽』

『鳳』『阿波の白虎』
『玉獅子の虎』


富士の図、冨士の雪、玉姫などの写真を撮り忘れてしまったため載せることができません。
次からは大事なところはしっかり押さえるようにします。

室内気温3−17℃
鉢内温度4−16℃
10時頃ビニールハウスの灌水。
昨日はねずみに万年青の実を食べられてしまったものが見つかったので、急遽交配したものを優先的に実を採りました。
成長期には肥料を持っていかれます。
犬がいるので毒は置けないし、一生ペッタンを置いて戦い続けるのでしょう。
はぁ=3