2011/01/31

第5回 萬遊会

第5回 萬遊会が地元と近隣の方々、業者の多大なる協力と活躍により、盛況裏に開催されました。
まずは萬遊賞 受賞作品10点、次賞2点の紹介です。

『楼蘭』福岡県 米倉氏
締まって出来、安心感のある至芸品。
『天童』山形県 高橋氏
芸をした葉が出てやや詰まった形になりましたが、葉数も腰の張りもすごい。
『臥牛獅子』福岡県 岡氏
巻きも良く葉幅もひいて魅力いっぱい。
『富士の図』福岡県 園田氏
昨年に続いての受賞。図の打ち込みと量が最上級。
『輪波獅子』大分県 河野氏
ボリュームがあり、ポイントの図も全面に打ち込んでいる。
『家康』千葉県 石井氏
3年葉が残り、姿が整っている。
『樋本実生』大分県 樋本氏
今作以前までは熨斗主体のようだが、止め葉に目を見張るような肉厚感と葉芸。
『名門』岐阜県 志知氏
覆輪が回ったら絹雅糸になりそうな葉芸。丸止めと尖った葉先がバランス良い。
『蜀光錦』福岡県 菊池氏
こんな姿になった本種は写真などでも見たことがありません。未登録品だったということも驚き。
『河野羅紗獅子』香川県 河野氏
玉姫のような彫りの深い雅糸竜。
『武州』千葉県 篠塚氏
型の大きさ、そして葉幅と葉芸は今後さらに人気が出そう。一作後さらに盛り上がった姿が見たい。
『常楽』福岡県 木村氏
モノが良く、惚れました。

2011/01/24

1月24日 玄峻

『玄峻(げんしゅん)』

作出は昭和45年頃、愛知県の杉山真一郎氏。
命名者は長野県の桂本静覚氏、登録は同氏と現 田哲園主による。
『玄峻』誕生のいきさつについてはこちらを参照。

3.5号鉢でちょうど良い程の中型種で、葉姿は乱れることなく腰折れ良く左右に直線的に開く。
紺性は強く、葉幅は広く、葉肉もすこぶる厚い。
『玄峻』の特徴は熨斗葉、雅糸竜ともに彫りが深く、輪郭がはっきりとしているところで、緑と覆輪とのコントラストをしっかりと楽しませてくれる。
葉一枚の芸は荒々しく力強いのだが、その全体の整然とした姿は見ていると妙に心を落ち着かせてくれる。
『玄峻(縞)』

縞もののほうが落ち着いている。
玄峻は覆輪が回ったことでさらに芸質が厳しくなったタイプのようです。

2011/01/21

1月21日 千代田実生(賜宝の松)

ビニールハウスからこんなものが出てきました。
抜いてみたら生えウブの形跡があり、仮名「賜宝の松」と名付けました。
総親は隠れて見えませんが真っ青です。5本子が付いていて下から出ている子3本に鮮明な千代田斑を現し、三光の松ばりにきれいな千代田斑です。
千代田系の地合いというと紺性が強く照りが強いというイメージですが、本品は艶消し、まるで胡麻斑系統のようです。さらに本剣や熨斗葉も出して多芸という点では登録品の千代田系に似たものは少ないと思います。

千代田斑がきれいという最大の長所を持っているのでこれから楽しみです。
世の中の目が縞羅紗に向いている今、このような薄葉千代田というのも逆に新しくて良いのではないでしょうか。

2011/01/18

1月18日 積雲

『積雲(せきうん)』
昭和30年代に愛知県の日比野喜義氏が作出となっているが、奥谷さんの本によると津島市近郊に生え、日比野氏が増殖、平野晴久氏によって前田氏に納められたとある。
『積雲』という名の命名は江田進氏。
昭和61年に積雲推奨会という形で登録された。

長い間「日比野実生」と呼ばれ注目されてきた。
葉の縁の全体にビリを打ち、積雲の名の通り雲が積み重なったような葉姿をしている。
葉肉は羅紗としては普通ながら地は粗れ地の柚子肌。
覆輪が回ったことで『千代田城』のような一層膜を貼ったような淡い紺性をしている。
葉やけを起こしやすいので美術木を作るとなると採光に注意が必要。

外気△2−3℃
温室4−11℃
鉢内4−10℃
温室の屋根の上にも雪が積もったので夜間も多少保温になったのでしょうか。
温室、ビニールハウスともに灌水。

今年も肥料作りを実践します。
一年で色々な方から肥料作りのノウハウを教えていただいたので、それを踏まえたうえで自分ちで使う分だけでもしっかりと作ろうと思います。

2011/01/16

1月16日 舞子

『舞子(まいこ)』
昭和50年に愛知県の橋本修三氏が作出、昭和56年重松宏明氏が買い求め「舞子実生」として紹介。登録は平成3年に重松氏、橋本氏、平野吾知氏、鈴木嘉幸氏、榊原八郎氏による。

葉姿は腰折れが良く、葉幅が広く、名前とイメージが一致するような丸形で愛嬌が良い。
艶消しの柚子肌で紺性が強く、葉肉はすこぶる厚い。
荒削りな雅糸竜と深い熨斗葉を現し、葉繰りは年に2枚程度。
美術品になるとどれも一見して舞子と分かるので、誰でもイメージ通りに安心して作れるという点ではいつまでも残っていくであろう大銘品である。
『舞子(縞)』
縞ものは地の良さも葉肉の厚さも分かりやすく、いかにも力強く重量感があり男性的なイメージだが、覆輪が回ると一転して上品な女性のような印象を受ける。

外気△2−△4℃
温室4−5℃
鉢内4−5℃
灌水なし。

この冬一番の大雪。
昨日から長野支部の総会で山田温泉に行っていたのですが、当園よりさらに標高が高いので朝駐車場に行ってみると車は雪に埋まっていて、雪かき…というか雪堀りが大変でした。

2011/01/13

1月13日 実生会

今日は当園で信州実生会の集まりがありました。
昨年はラベルの書き方などちょっと軸のずれた話題になってしまいましたが、今年は人数も揃い、現物を持ち寄ってのプレゼンテーションの時間がしっかりと取れたので面白かったです。

湯本先生の胡麻羅紗実生の芋吹き
完全な黄胡麻で斑が鮮明に出ています。
親木はこんな感じ。
鳳翔の地が厚くなったようなイメージです。
芸が少し弱いか?でも覆輪が回ればある程度大きさもあり万人受けするタイプだと思うので出世すると思います。

「鹿島二面」×「中島B」
高橋さんの今年の一本。
いかにも車系の生えらしく超小型で細葉。
楼蘭が生えた頃はこんな感じだったとか。生えの写真はありません。笑

「02−9」

百瀬さんの作った実返しで、英宝との交配で艶消しで地のあるものが何本か生えています。
その中でも超小型でかなりレベルの高い生えが一本あり、将来が楽しみ。
美好二面に次ぐ信州発の優秀な♀木になってくれるのではないかと期待。

外気△4−1℃
温室2−11℃
鉢内2−9℃
昨日潅水しました。

2011/01/11

1月11日 天翔

『天翔(てんしょう)』
昭和45年、愛知県の鈴木市平氏が「カキガラ錦福(V)」×「仁兵衛大宝」により作出し、同県の天野力氏に納まり、その殖え木を桶庄氏が順次棚割りしていった。
登録は平成9年に天野氏と鈴木輝彦氏による。

小型種で一般的な作ならば3号鉢に納まる程の大きさである。
紺性が極めて強く、白覆輪とのコントラストが良い。
立ち葉性で葉重ねが良く、一年に4〜5枚の葉繰りをして葉姿が整いやすいので「天翔型」と言っても良いほど特徴のある葉姿をしている。
芸としては若いうちは熨斗葉が主体で至芸は力和のような熨斗二面の雅糸竜を現す。

『天翔(青)』

紺性の強さと整った上品な葉姿に惹かれます。

外気△10−2℃
温室4−10℃
鉢内4−10℃
灌水なし。

庭に霜柱が立っていました。

2011/01/08

1月8日 盧山

『盧山(ろざん)』
昭和42年、愛知県の牧円蔵氏が「大宝F1」×「出世鏡」により作出。
その後、小田井氏が培養したことから「小田井3号実生」と呼ばれていた。
命名者は福島県の戸田尚緒氏、登録は平成4年に同氏と三光園主によってされた。

鉢3.3号にちょうどおさまるほどの大きさだがその葉幅の広さからは雄大な印象も受ける。
地は滑らかな絹地で柔らかい印象を受ける。「これは胡麻斑系統ではないか」と言う人もあるように紺性は淡く艶消しの地合いをしている。
覆輪は黄味を帯びており、先日紹介した『太楽』の白い覆輪と並んでいると趣きの違った二種類の覆輪が分かりやすい。
雅糸竜も絹雅糸といっていいほど低く繊細だが作り込むと盛り上がって葉肉もさらに増してくる。至芸になると輝いているように全面が覆輪に覆われ、非常に上品な銘品である。

外気△7−4℃
温室3−13℃
鉢内3−12℃
昨日潅水しました。この時期になると晴れの日の日差しはかなり強くなってくるので、日中は天窓を開けて暖かい空気が逃げるように換気をして温度が上がりすぎないようにしています。

2011/01/06

1月6日 太楽

『太楽(たいらく)』
昭和50年に岡山県の小野田敏男氏が「大宝」×「丸子(C)」により作出。
京都三光園主、服部健二氏が命名し両氏により平成4年に登録された。

葉姿は立ち葉で葉先が丸止め、葉幅はかなり広くなる。
芸は彫刻のような彫りの深い総雅糸竜で親になると覆輪が全面を覆い見事。
太楽の一番の特徴は何といっても葉肉の厚さ。平葉なのに葉の縁にまで力強さがあり、330選の言葉を借りると 力強さ、愛嬌、気品のすべてを併せ持った名品である。
芋自体は丈夫だが、葉繰りが悪く一年に一枚で終わることもある。子上げもまずないので、あっという間に増殖していくような木ではないだろう。

『太楽』(覆輪のないもの)の芋吹き

紺性が強く粗れ地。当才から彫刻のような芸を現す。

外気△2−2℃
温室5−11℃
鉢内5−10℃
温室温度は温度センサーがちょうどストーブの風が上がってくる位置にセットしてしまってあるので、実際はもう少し低いと思いますが、それでも温室に入った感じでやや暖かい気がするので、あと2℃くらい低めにストーブの温度設定をしようと思います。
灌水なし。