2月27日 祝田の松、覆輪と青の比較

『祝田の松(いわいだのまつ)』
作出は昭和5年、松谷正太郎氏による。榊原純平氏によって命名され、昭和9年、日本おもと協会によって登録された。

葉姿としては立ち葉性、葉尺が詰まり丸みを帯びた葉をしている。
松谷氏が作出した千代田系の中では一つタイプが異なり、葉肉が厚く、高い甲竜と共に総雅糸竜を現す。
古い品種ながら『千歳の松』とともに数が少なく、希少価値の高い古典品種である。

萬風展の出品はほぼ例年並みに集まりました。

初めて出品される方も数名おられ、それぞれの万年青がどうすれば一番引き立つのかを考えながら鉢選び、植え込み、苔化粧をし終えました。
カーボンマルチを使った化粧でも、首元の水苔の厚さや盛り上げ具合が微妙に変わるだけで雰囲気が変わってしまうので、未だに試行錯誤をしています。

今日は覆輪が回ると同じ葉芸がどのように違って見えるのかを『天元』で比較してみたいと思います。
ちょうど同じような葉芸を見せた木があったのでこれで比較します。

葉肉の厚い熨斗葉。

若い熨斗葉。

覆輪は縁の葉肉が厚くなる程、至芸に近づく程に深くなります。
葉肉の厚い熨斗葉を見ると、青い木は緻密な熨斗雅糸芸を見せていますが、覆輪になるとそれは見えにくくなります。ですが、よく見ると熨斗の上からさらに葉芸を見せていることが分かります。
『天元』は元々が地の良い品種なので覆輪が回っても艶消しで柔らかい印象を受けますね。

覆輪は品種によって深いものから『聖雲殿』のように浅いものまでありますが、このような比較の例をいくつか頭に入れておくと、縞羅紗実生に覆輪が回った時のイメージを浮かべる際に役立つと思います。

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