2016/02/24

2月24日 萬風展近づく…

萬風展が近くなってきましたね。
事務局としてはヒトとモノは多く集まるのだろうかという心配と当日のシミュレーションで何かと気ぜわしいですが…今年はどんな作品に出会えるのか楽しみでもあります。
出品物は当園にも集まってきており、今年お預かりしている作品は中々の粒ぞろいのように感じられます。
それに伴って化粧にも気合いが入り、ここ数日は黙々と作業をしております。

なんと言っても注目度の高い大会ですから、このblogをご覧になっている皆様も自身のお棚に惚れ込んでいる万年青があるのなら、知っている業者を通して是非ご出品下さい!


私の出品物2点です。宣伝代わりに公開しときます。
『武陵』
結局こっちを正面にしました。
鉢は愛楽園製の加茂黒青海波紋五柳写し。
これ以上作り込んだら派手になるか芯が止まる気がするので春に芋切りです。
「光陵」
昨年に続いての出品ですが、以前も書いた通り一番の見頃を迎えています。
鉢は愛楽園製の加茂黒魚子紋古鉢風。


それにしてもこの木の型、葉芸、地合いはいつ見ても惚れ惚れします。
葉尺と葉幅のバランスもちょうど良い。
もちろん写真よりも実物のほうが良いので当日来られる方はご覧になってみて下さい。

2016/02/15

2月15日 寿岳

ウブ4才の『寿岳』です。
下のほうに画像を載せますが、この木は芋吹きのとき結構味が良かったので、いよいよ覆輪完成か!?と一部で話題になったことがあります。 
その後2才3才と胡麻斑は明るいものの覆輪気らしき柄はほとんど見えない状態が続きました。 
そして4才、大した期待もせずに一作かけてみたところ、ようやくそれらしき柄を確認することができるようになりました。
やや大振りになりがちな本種ですが、覆輪が回れば一回り締まった姿になり、かなり面白くなると思いますので、この木の芋吹きをする時が楽しみです。 
これはこの木の当才吹きの時の写真です。
こうやって見なおしてみると、稚葉と爪にはまだきていなかったんですね。


ちなみに『寿岳』の来歴については園主が以前blogで面白い記事を書いていたので、転載しておきます。
おもと徒然散歩道

2016/02/10

2月10日 棚下から牡丹餅

今日ビニールハウス内の棚下に置いてあった苗床を整理していたのですが、その中に百瀬さんから数年前に分けていただいた苗床があり、中からこんなものが出てきました。


交配は♀剣宝×♂小田井2号。
青いですが、もの凄くいい羅紗です。
紺性強く、粗れ地。
熨斗雅糸の葉の縁にはかなりの葉肉を乗せています。 
熨斗もただの熨斗ではなく、葉元にかけて変化しています。
画像では見えませんが、止めの剣葉に跳ね竜も現しています。
「実生家の棚では棚下を見ろ」とこの世界に入った時に誰かから教えられましたが、こんなこともあるんですね。

2016/02/03

2月3日 古鉢

1月号の園芸JAPANに楽鉢の面白い記事が載っていました。
万年青界では有名な短冊屋、五柳、手島など以外にも浮田楽徳という作家が描いたのではないかという古鉢も紹介されています。
五柳といえば鉢の内側にある眼鏡マークが有名で、それがあるだけで価値が跳ね上がることもあるほどですが、あれは色見の為のマークであるという説も有力であり、実際に絵付けは五柳そのものなのに眼鏡マークの入っていない鉢がいくつも存在していることも事実です。

今回紹介する鉢は五柳ではないですが、私の一番のお気に入りです。
これは万年青業界で古鉢を語らせたらこの人!という米谷さんいわく、五柳の師匠のような絵付けをするので”一柳”の鉢だそうです。
この唐草紋様に注目してみますと、赤い釉薬をイッチンで施した上から金が塗られた、もしくは貼られてあります。
短冊屋和楽の職人の方にお聞きしたところ、この技法は短冊屋のものだそうです。
園芸JAPANの記事を読ませていただいたところ、浮田楽徳、五柳の鉢にも同じような技法が見受けられます。
当時この技法が流行りだったのか、あるいはどれも同じところで作られていたのかは私には分かりませんが、この様な細かい絵付けが古鉢、特に京楽には施されていることがあります。


もう一つはこれです。
実はこの鉢は大小五つ組で当園で眠っていたものです。 
これもやはり赤の釉薬の上に金が施されています。
鉢の縁の下にある雲?の紋様は雑誌では浮田楽徳として紹介されている蘭鉢に全く同じ技法が用いられています。 
そして注目すべきはこの縁金の部分です。
触ると剥げるのです。
これは当園でも縁金を焼くので分かりますが、剥げ方からして金液を焼いたものではないと思います。
もしくは縁金を焼いたときの温度が相当低かったのか。
あるいは現在の短冊屋和楽のように金箔を貼っていたのか。 


最後にこの鉢にある落款です。
篆書体で、上の漢字は「木へんに小に口」?それとも「松」か?下の漢字は調べたところ「木へんに右」で「祐」の訛字だそうです。
「松祐」?作家の名なのか、趣味者の名で絵師に作らせたのか。
聞いたことのない名ですが、このような落款が描かれています。
私には判断できませんが、楽鉢の歴史的資料としては大変興味深いものですね。